英語のほうが日本語より使いやすいと思うこと

英語のほうが使いやすいと思うとき

 私の母語は日本語で、英語は第二言語なのですが、それでも日本語よりも英語のほうが使いやすいな、と感じるときが時々あります。こういう機会はいろいろあるのですが、特にそう感じるのは、「人を指す言葉」を使うときです。つまり”I”とか”you”とか、何らかの人を表す言葉や名前を用いる時です。

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日本語での1人称の呼び方

 日本語でこのような場合、例えば自分自身のことを表す時には「私」、「僕」、「あたし」、「俺」などとてもたくさんあります。そして、これらは対話する相手との関係性によって使い分けなければならないわけです。

例えば、上司に対して「俺」とか「わし」とか「あたし」などを用いるのは通常は認められません。同じように相手のことを表す言葉にも、「あなた」、「おまえ」、「君」、「あんた」などの代名詞があって、これも相手との関係性によって使い分けなければなりません。

また、名前で呼ぶ際にも、「○○さん」、「○○君」、「○○様」、「○○先生」、「○○ちゃん」、「○○先輩」、「○○社長」、「○○(呼び捨て)」など、実にたくさんあります。日本語が母語である人間もこの使い分けにはかなり気を遣っていますし、難しいものです。「このように呼んでしまって大丈夫だろうか」と心配することもありますし、それがかなりストレスになります。

英語での1人称の呼び方

 それに対して英語の場合は、相手が目上だろうが目下だろうが、男性だろうが女性だろうが、年上だろうが年下であろうが、自分のことはいつも”I”で済みますし、相手のことは”you”で済むわけです。相手との関係性をいちいち気にする必要がないので、とてもラクに感じます。

名前で呼ぶときには、英語でも先生など目上の人に対しては、男性には”Mr.”、女性には”Ms.”をつけますし、答えるときも”Yes, sir.”、”Yes, ma’am.”と答えるなど敬語はありますが、少なくとも日常的に使う敬語はその程度です。多くの場合、英語では名前で呼びかける時は名前だけを使います。つまり呼び捨てですが、別に相手を軽んじているのではありません。それが普通になっているのです。

 仮に、今日から出会う相手全てに「あなた」を使うようにしたとしたら、人間関係がかなり気まずくなる可能性があることは想像に難くないでしょう。先生に「あなた」と言ったら怒り出す先生もいるかもしれませんし、友人に「あなた」と言えば「よそよそしい」と思われてしまうかもしれません。また、英語の映画で”you”の部分を全部「あなた」と翻訳してしまったら、映画全体の印象ががらりと変わって、滑稽極まりないものになってしまうでしょう。

 私は、日本語は(そしてそれを使う日本人は)、少なくとも建前上は相手との関係性を気にしすぎて、逆に息苦しくなっているような気がするのです。それは場合によっては相手への「おもてなし」になるという長所にもなり得るのかもしれませんが、それにしてももう少し簡素化できないものだろうか、と思います。

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